青島とすみれの休日
インターネットには欠かせないDNS。
プロバイダに加入したときに「DNS設定してください」なんて言われてなんだかよく分からなかったけど手順にそって設定してチンプンカンプンだったかもしれません。
今回当サイトのサーバ移転で、DNSが関係してきます。
日常生活(?)に置き換えて、分かりやすく(かどうかは知らないけど)簡単にご説明しましょう。
※※※ご注意※※※
この読み物はDNSのしている仕事を簡潔明瞭に、かつサーバ移転時の知識として必要なことだけ書いているものです。
DNSの勉強としては不十分ですので、ホントに勉強したい人はヨソのサイトや本で勉強して下さいませ。
青島くんとすみれさんはいつも大忙し。
二人とも非番の日にはかずさんちに遊びに行くのが楽しみなのです。
でも二人とも道を覚えるのが苦手で、いつも最寄りの不動産屋さんに「かずさんちおせーて」と訊いてから行くことにしています。
そうでないと辿り着かないのです。
かずさんちは広島から、東京に引っ越しました。
青島くんもすみれさんも新しいところがどんなおうちか楽しみです。
青島くんは近所の新城不動産がお気に入り。
その日も新城不動産に向かいました。
「ちわぁ、かずさんち教えてください」
「またお前か。こないだはエッチな家を教えてくれと言ってきたが、どうだった」
「つまんなかったです。外人は苦手なんっすよねぇ。そんなのいいから、かずさんちおしえてよ」
「よしちょっと待てよ」
と新城さんは台帳を広げてかずさんちを探します。
新城さんは出不精なので、10日に一回しか台帳を更新しません。
わざわざ都庁まで台帳の更新にいくのは面倒だし疲れるからです。
都庁の方から「最新の情報だぞ」とは教えてくれないので、不動産屋さんはいつも「最新情報を教えろ」と都庁まで出向かなければならないのです。
そんなわけで、新城不動産の台帳もその日はまだ更新されてませんでした。
「あったぞ」
と教えてくれたかずさんち。
青島くんはニコニコありがとうと言うと、教えてくれた住所に行きました。
「あれ??」
かずさんちではあったようだけど、空き家のようです。
いつも途中で落石があったり通行止めになったりしてなかなか辿り着かないのですが、今日はせっかくまっすぐ着いたのにこれではあんまりです。
青島くんは新城不動産に戻って文句を言いました。
「あれ、かずさんちじゃないよ。もう空き家だよ。嘘つき」
新城さんは立ち上がって言い放ちました。
「うちは10日に一回しか台帳更新しないから分からないのだ。うちではあれがかずさんちだ。来週の水曜日に台帳更新だからまた訊きに来い。それまでは何度訊かれても同じだ」
態度はでかいけど、背はチビです。
「ふわーい」
諦めた青島くんは帰り道、「あ、今からすぐ更新して、ってお願いすればよかったかなぁ」と、星空に呟いたのでした。
すみれさんは近所の室井不動産がお気に入り。
「こんにちわ。かずさんちおしえて」
と店にはいると、店主は相変わらず険しい顔。
「またお前か」
「また、も、お前、も失礼ね。まぁいいわ。かずさんちおせーて」
室井さんは無口なので、何も言わずに台帳を調べました。
室井不動産はめんどくさいのにも関わらず、毎日都庁に伺いを立てて、台帳にははできるだけ最新の情報を載せています。
だから室井さんが
「あったぞ、ここだ」
と教えてくれたかずさんちはあたらしい東京のおうちでした。
新しいおうちには雪乃さんも真下くんもいました。
「青島くんも来るって言ってたのに、来ないわね」
などとみんなでワイワイ喋った後
「楽しかったぁ。前より喋りやすくなったわ。新しいおうちは快適ね」
と、満足して帰るのでした。
帰り道のすみれさん。
「あ、そういえば・・」
とまた室井不動産に駆け込みます。
「ねぇ、室井さん。こないだ教えてくれた美味しいレストラン、また場所おしえてくんない?」
「君は食べることばかりだな」
「うるさいわねぇ。早くおしえなさいよ」
「・・・」
室井さんの眉間の皺は、当分無くならないようです。
このように、ネットをしていてどこかのサイトに行くには、誰もが必ず台帳を見て行くことになっています。
この台帳がDNSというものになるわけです。
かずさんちという名称でなく住所(IPアドレスなど)を覚えておけば台帳に頼らず着くことも出来ますが、そうするとかずさんちの住所が変わってしまった時に辿り着けなくなってしまいます。
DNSを常に更新するプロバイダが良くて、更新が遅いところが悪いということではありません。
DNSを更新するということは、ネットワークにそれだけ負荷をかける(大した量ではないですが塵も積もれば山となる)ということになりますので、更新頻度をあえて長くしているところもあるわけです。
かずさんちという名称だけでかずさんちに辿り着けるようにするシステム。それがDNSなのです。
http://www.odoru.org/が住所だと思われがち(多分初心者本なんかにもそう書いてある)ですが、実際には「かずさんち」くらいの意味しかないのです。
http://123.456.789.012/(←例)などというのが、住所になります。
www.odoru.orgは123.456.789.012である、と結びつけているのがInterNIC(上の例だと都庁)なわけです。
厳密に言えばまたちょっぴり違うんですが、そこまで書いてもチンプンカンプンでしょうし必要ないので、このように覚えていただければよろしいのではないかと。はい。
今回のサーバ移転は、www.odoru.orgが123.456.789.012から別のアドレスに変わる、ということなのです。
【登場人物説明】
青島くん・・・・・・さわやか青年
新城不動産・・・・・青島くんが入っているプロバイダ
新城不動産の台帳・・青島くんのプロバイダのDNS
すみれさん・・・・・美女でちびちび
室井不動産・・・・・すみれさんが入っているプロバイダ
室井不動産の台帳・・すみれさんのプロバイダのDNS
都庁・・・・・・・・www.odoru.orgを管理しているInterNICというところ
かずさんち・・・・・http://www.odoru.org/というURL
広島・・・・・・・・旧サーバ会社
東京・・・・・・・・新サーバ会社
落石・・・・・・・・サイトが重いよぉ、状態
通行止め・・・・・・サイトに繋がらないよぉ、状態
雪乃さん、真下君・・お友達
2000.5.31