中日ドラゴンズ
そう、私は中日ドラゴンズファンである。
今現在首位である。
開幕の連勝の勢いはどこへやら、とうとう阪神に竜のしっぽを捕まえられてしまった。
去年の横浜ベイスターズの時もそうだったが、どうもいいところまでいってダメなパターンが多いのが中日だ。
去年は32年ぶりの優勝だかでえらく横浜フィーバーだった。日本全国が横浜の味方をしていたような気がする。私も中日ファンでありながらも32年ぶりに優勝するんじゃしょうがないよね、な気分であった。
今年の阪神に対しても同様である。野村効果なのか勢いもなかなかあるし、大阪人が何を根拠にか「優勝する」と思ってるという一番不可解なパワーが味方している気がする。
それに今年ダメでも来年があるさ、と思うにはまだ気が早いが、惜しくも優勝を逃しても諦められるような気はする。
阪神には「今年いかなきゃもう何年もこんな機会はないぞ」みたいな緊迫感があるのだ。
そうやって今年も二位に甘んじてしまうと来年はヤクルトあたりにやられたりするんだろうか。
今の中日に残念なのが今中の不在である。私の一番好きなピッチャーである。一時故障で戦線離脱して後、復活したものの今ひとつピリッとせずにいるのだ。
もう一人の好きな投手山本の方は勝ち星もあげて、頼れるエースである。
新人王川上にいたっては二年目のジンクスなど物ともせずに頑張っている。星野さんの過保護気味なところが多少気にはなるが、実力があってこそなんだろう。
と、ここまで書くと随分とファン度が高いように見えるかもしれないが、実はそうでもなかったりする。
別にテレビでドラゴンズの試合があったときには毎回観る、なんてこともないし、確かに負ければ悔しいけれども、まぁそんなにショックでもない。
元々ファンになったきっかけというのが私の父親にあった。私の父親はそれはそれはファン度の濃いドラゴンズびいきであった。ドラゴンズ以外の試合でも野球中継はほぼ毎日付き合わされて観ていたが、ドラゴンズの試合となると父親は人が変わったようになってしまっていた。酒癖がとても悪いのが付加されるのもあったのであろう。ドラゴンズが負けた日にはそれはそれは機嫌が悪かった。 何もしてないのにいきなりぶん殴られたり、なんてこともあったくらいだ。
だから、平穏に一日を終えるためにはどうしてもドラゴンズに勝ってもらわないといけなかったのだ。当然勝てば嬉しかったし、負ければたいそうショックであった。 ファンではなかったが応援していた。ファンよりも深く応援していた。
だがよく考えてみればこのプロ野球こそ諸悪の根元である。それでも野球が無くなってしまえば良い、とは思わなかったのだから、純粋に応援していた部分もあったには違いない。
その純粋な部分だけが残ったのが現在のわたしである。
最近思ったのだが、例えば彼女。一緒にいればそのうちに食べ物の好き嫌いまで似てきたりもするというのに、何故かこの「ひいきの野球チーム」だけはどうしてもお互い譲れないらしい。 ドラゴンズがきわどい所にいてもシラッとしている。
ドラゴンズをわたしと一緒に応援して欲しいのになと思っていたら、人生の先輩が教えてくれていたことに気が付いた。
なるほど。負けたら酒呑んで暴れれば良いのだ。
Written by かず
1996.9.28-1999.5.29
1996.9.28-1999.5.29