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CINEMA HOLIC 本広克行インタビュー

「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
監督 本広克行インタビュー

※文字起こしではありません。割と詳細にはしてますが、インタビューを要約しております。

ファン待望の2作目「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が出来上がって、今の感想は?

3月から撮りはじめて、7月の上旬で何とか完成したのですが、映画ってこんなに早く出来るようになったんだな、と。
まず、それを感じました。

しみじみとした語りでいらっしゃいましたけど?

疲れ果てましたね、本当・・・。

そして青島役の織田裕二さんとの仕事も、それだけの期間が開いてましたが、織田さん自身というのはどうでしたか?何か変わってらっしゃいましたか?

織田君自信は変わらないけど、僕らが織田君を見る目が変わっているというか。

数少ないスターだと思うんだけど・・・劇場にお客を呼べるスター。
凄いカリスマ性があって、「踊る」の中で云えば座長になる訳ですけど。
周りの人達の芝居も影響されたりとか。織田君がこういう芝居やるから、周りもレベルが上がったりとか。
彼は妥協しないので何でもないシーンでも凄いバトルがあるのです。お芝居としての。

そういう風に作り上げていく彼のモチベーションの高さというのが、以前に比べてパワーアップしていて、それだけ責任をしょっている意識が強いのだろうけど。

プライベートでも仲いいんです。その時は普通のあんちゃんなんですけど。
ただ、あのコート着て現場に入ってきたらもう違うんですよ。

スター織田裕二

もう光ってますよね。
僕は巡り会えただけでラッキィだと思っています。

監督自身はOKのテイクでも、織田さんの方からダメっていうのはありましたか?

随分ありましたね。
OK、OKってなだめるくらい連呼しなければならないOKとか(苦笑)
僕がOKって云っても、織田さんが「もう1回」って云うと、やっぱり気持ちよく仕事をしてもらいたいので「じゃぁ、もう1回やりましょう」と云って何度も納得いくまで撮って・・・というような色々でした。

どのシーンが一番大変でしたか?

結構全般に・・・ですが、脚本にはない行間の部分で盛り上げてくれてるんですけど、特に一番大変だったのはテレビカメラに向かって「湾岸署は血を求めています」っていう。

最終カットだったと思うんですが、最初の1テイクで僕らスタッフ全員が「うわー、いい芝居だったね〜」と拍手だったんですが、織田君は何か物足りなさそうな顔をしていて「もう1回やらせてもらえますか?」って。

では納得いくまでやりましょう、と10テイクくらい撮ったんですけど・・・結局1テイク目に。うん。

そうですか(笑)

そういう意味で妥協を許さない。
もっと上、もっと上にというのが彼の中にあるから。
いいですよね。

新しいキャラクタの中では、どの登場人物が一番好きというか面白いですか?

好きなのは多分みんな。

特に今回は真矢さん扮する仁美管理官と(僕らは)言っているのですが・・・。
女性が組織を背負って男達を率いるというものの大変さと、ただのヒールにはしなくないというものがあって。

真矢さんと何度もお話をして、彼女の魅力を探り出して、脚本には書かれていない部分だけれど、少しずつ肉付けしていって、印象的な役になればいいなと。
僕の中ではかなり上手くいったなと思っています。

上映時間の話ですが、聞くところによると「マトリックス・リローデッド」と同じなんですね。
これは何か監督の中で意図するものがあったのでしょうか?

シャレだったんですけど・・・。

意識はあったんですね(笑)

「マトリックス」がヒットしてるし。
「踊る」っぽいというかパロディっぽいというか(笑)
僕はシャレで2時間18分にもっていったりしたのですが、それがまさか宣伝に行くところ、行くところで皆に云われてました。
そんなにキャッチィなコピィだったのか?と思いながら(笑)

この作品の新鮮な所は今までの刑事ドラマの中にサラリーマンや会社組織を取り入れたところが大きかったと思うのですが、映画監督の立場はどうでしょうか?サラリーマンの図式に置き換えた時に、本広監督はどの位置にいらっしゃるのでしょう?

僕は普通の映画監督と違って、サラリーマン映画監督なのです。

サラリーマン映画監督?(笑)

僕は月給制なのでサラリーで仕事をしてまして。

実際そうなのですか?

そうです。「ROBOT」という映画の製作会社で、そこのサラリーマンですので、平(ヒラ)です。
なのですごく分かるのですよ。青島君とかの・・・。
その前は共同テレビということろにいたので、常に僕は組織に属してないと自分の力を発揮できないと思ってるタイプなので、通常の映画監督とはちょっと違ってます。
現場に行っても僕が偉いのではなく、例えば撮影監督、美術監督も同等に偉いというようにしてもらっています。

-Message-
“まだ出来たばかりなので、何を云えばいいのか、言葉が見つからないのですが・・・。 とにかく何度観ても楽しめる仕掛けをして、しかも劇場でないと分からない仕掛けも随分あります。 できれば熱い芝居を劇場で、スクリーンで観て頂けるとこの映画は幸せなんではないかな?と思っています。 どうぞ劇場にお越し下さい。よろしくお願いします。”
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